業務専用ツールを、自作する
この記事についてAbout this article
ゴールGoal うちだけの計算を専用ツールにする
こんなあなたへFor you if 毎回おなじ計算を表計算でしている方
この記事の要約Summary
「うちだけの計算」を、ボタン1つの道具にします。金額より根拠を出させる頼み方と、自作の範囲の決め方。
- 所要時間Time
- 4分 作業時間:約work approx. 30分 min
- 必要な準備What you need
- 環境SetupアプリケーションAppsデータData
市販ソフトに無いのは、うちのルールが独自だからです。 そのルールを持っているのは、あなたです。
※2026年9月時点
うちだけの計算に既製品が無いのは当たり前です。ルールを日本語で書けば 30 分で動くツールになります。根拠を横に出させ、試算は自作・正本は既存ソフトと線を引きます。
「これ専用のソフト、ないのかな」
毎回おなじ計算を、おなじ順番でやっています。 Excelのシートにまとめてはいるけれど、条件が増えるたびに壊れる。 かといって、そのためだけのソフトを買うほどでもない。
どの業種にも、こういう「うちだけの計算」が1つや2つあります。
この記事は、その疑問へのお答えです。 結論を先に言います。
無いのは当たり前です。うちのルールは、うちにしかないからです。 でも、そのルールを言葉で説明できるなら、それを動くツールにするのは30分の仕事になりました。
30分でやること
例として、顧問料の見積もり計算を作ります。事務所ごとに料金表があって、条件を組み合わせて月額を出す、というよくある形です。
計算ルールを、日本語で箇条書きにする
プログラムの言葉は要りません。いつも口で説明しているとおりに、条件と金額を並べます。
- 法人なら基本 30,000 円、個人なら 20,000 円
- 年間の仕訳数が 2,000 超〜3,000 以下なら 10,000 円足す
- 訪問は年 2 回まで込み、超えた分は 1 回 2,000 円
- 記帳代行と給与計算はオプション
- 月額の下限は 35,000 円
条件と金額が、上から順に 5 行前後で書けている
うまくいかないときは
場合分けが多すぎる → よく使う 8 割だけ書きます。残りは「毎回相談」で構いません。
「根拠も横に出して」と付けて頼む
書いた箇条書きをそのまま渡し、最後にこの 1 行を足します。
どのルールで何円足したかを、必ず横に出して
これが肝です。金額だけが出てくるツールは、間違っていても気づけません。 「52,000 円」とだけ表示されたら、正しいかどうかを確かめる方法がない。 根拠が並んでいれば、「訪問の回数を数え間違えている」と一目で分かります。
ブラウザで開けるファイルが 1 つできたと報告されている
うまくいかないときは
金額だけが出る画面になった → 「計算の内訳を右側に並べて」と送り直します。
条件を入れて、内訳を読む

左の入力欄に、区分・仕訳数・訪問回数・オプションを入力します。 右に月額 52,000 円、決算申告料 260,000 円、年額 884,000 円と、その内訳が並びます。
見るのは金額ではなく、右の内訳です。どの行がどのルールで積み上がったかを上から追います。
直近の見積もり 1 件を入れて、手計算と同じ金額が出る
うまくいかないときは
金額が合わない → 内訳のどの行で食い違ったかを見て、その 1 行のルールを言い直します。
出てきた「穴」を決める

中身は、基本料 → 仕訳数の段 → 訪問の超過 → 下限チェックの 4 段です。 そして、決めていなかったルールは、ツールにした瞬間に穴として出てきます。
今回でいえば「従業員が 11 人以上のときの給与計算はいくらか」。Excel でやっていたときは、そのつど手で入れて済ませていたので気づきませんでした。 出てきた穴は、埋めてもいいし、「ここは毎回相談」と決めてもいい。どちらにせよ、曖昧なままにしておくよりはっきりします。
決まっていなかった条件が 1 つ以上見つかり、どちらかに決めてある
うまくいかないときは
穴が出てこない → もう一段細かい条件(人数・件数の上限)を足して、もう一度出します。
どこまでを自作にするか
正直に線を引きます。
自作が向くのは、うちだけのルールで、間違えても自分で気づける範囲です。 見積もりの試算、社内の配分計算、チェックリストの自動判定。 数字が合わなければ自分で分かるものばかりです。
向かないのは、外に出る書類そのものと、法令の判断が絡むものです。 申告書や請求書の正本を自作ツールから直接出すのは勧めません。 制度が変わったときに、ツールのほうは黙って古いままです。
試算は自作、正本は既存のソフト。 この線引きなら、壊れても被害が自分の中で止まります。
まとめ
- うちだけの計算に、既製品が無いのは当たり前。ルールを持っているのは自分
- ルールを日本語で並べて渡すだけで、動く画面になる
- 「どのルールで何円足したか」を必ず出させる。根拠のない金額は確かめようがない
- 決めていなかったルールは、ツールにすると穴として出る。そこが価値のある副産物
- 試算は自作、外に出る正本は既存のソフト。この線を越えない
道具が無かったのではなく、ルールが言葉になっていなかっただけかもしれません。
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