「やりたい仕事」など存在しない

この記事についてAbout this article

ゴールGoal 独立のあと次に何をするかを決める

こんなあなたへFor you if 独立したが次の一手を決めきれない方

この記事の要約Summary

会社を辞めた直後に「戻らない」と決め、抹茶の市場へ向かうまで。30代は実績でしか見られないという話。

所要時間Time
4分
必要な準備What you need
ー

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前回は、会社を辞めて最初にやった3つのことを書いた。 今回は少し時間を巻き戻して、辞めた直後、次に何をするかを悩んでいた頃の話をしたい。 結論は「やりたいことが分かっているなら、自分でやるしかない」だった。

くわしくはこの記事で会社を辞めてひとりで起業した理由と、最初にやった3つのこと会社を辞めて最初にやった3つのことは、この記事に書いています。

※2026年9月時点

やりたい仕事は、探しても見つからない。会社にいる限り、進む先を決めるのは自分ではない。会社に戻る=待つ側は、決めるのは上司・チャンスを待つ・30代は実績で見られる。自分でやる=決める側は、方針① 自分の資産に・方針② 地盤を探す・抹茶に出会う

会社に戻るとは、決める側ではなく待つ側に戻るということだった。残った方針は2つ。その先で、成長とは関係のない一服に出会う。

1. サラリーマンには戻らない

会社を辞めたあと、経済的に追い込まれながら、次に何をするかを悩んだ。 サラリーマンに戻るのか、別の道を行くのか。 ただ、サラリーマンに戻る選択肢はないと薄々思っていた。

サラリーマンに戻るとは、要するに「やりたい仕事を探す」ことだ。 その行動自体が、私のイケていないセンサーに引っかかった。

先に書いておくと、仕事そのものが嫌いだったわけではない。 ただ、前の仕事に面白味を見つけられないまま、辞めないといけない状況に陥った。 その8年を振り返って、感想が色々とある。 まず「やりたい仕事」など存在しないということだ。

サラリーマンになった時点で、キャリアの主導権は自分には残らない。 上司の権限と能力を超えたことはできない。 上司に意思表明をして、チャンスを待つ。 チャンスが来るまでは自分の成績を上げる、チャンスが来たらつかむ。

入って数年でチャンスをもらえたらいい。 でも、30代になってすぐにお鉢が回ってくるなんて都合がいいことを期待してはいけないとわかっている。 なので仕事では耐えることがベースにあり、その中に楽しみを見つけていかないといけない。 だが自分は8年かけて、あの仕事の中に意味も面白味も見出せなかった。

会社がやりたいことをやらせてくれるのは、それが金になる場合か、よほど環境に恵まれている場合だけだ。 そもそも求人票にそんな事は載っていない。

結局のところ、私が欲しいのは自由なのだと思う。 自分の言葉と行動で、進む先を決められる状態のことだ。 サラリーマンに戻るというのは、その欲しいものから自ら離れにいくことになる。 だから戻らない。これは以降、私の中で動かない前提になった。

2. 30代は実績でしか見られない

こんなことを考えながら、もちろん就活を頑張ればチャンスはあるかもしれないが…… 基本的には、「やりたいことが分かっているなら、自分でやるしかない」という結論を出した。

「仕事を探す」という行為自体もナンセンスだ。 20代ならまだいい、方向転換・チャレンジの幅が効く。 でもこちらは30代だ、実績でしか人は見てくれなくなる年代だ。 新卒の面接と同じことを今からやるのか?と思ってしまった。

石垣にはさまれた一本道。テロップ「30代は、実績でしか見てもらえない。」

とはいえ、では自分のやりたいことは何なのか。 あると言えばあるし、ないと言えばない。 ほとんどは消費で、一度経験してみたい、という程度のものだ。

3. 方針は2つしかない

思い悩んだ末、方針は2つしかないと行き着いた。

  1. 方針①:自分にできることで、自分のアセットになる仕事をする
  2. 方針②:時間がかかっても、スタートアップのように一発当てにいく

①は、自分にできることをコンテンツにするしかないと考えた。 ②は、まず地盤になるものを探し始めた。

鉢植えの新芽。テロップ「方針は、2つしかなかった。」

その中で私が目をつけたのが、お茶だった。 2026年は世界的な抹茶ブームで、抹茶は明らかに「売れている商品」だった。 需要があって、供給が追いついていない市場がそこにある。 ならば、その市場に参入する側にまわればいい。 そう考えて、お茶事業の事業承継を探し始めた。

私のキャリアからお茶というのは、少し飛ぶので書き残しておきたい。

4. 抹茶との出会い

これまでサラリーマンをしてきて、成長やら資金などの話は沢山聞いてきた。 価値=成長と定義する風潮にすごく嫌気がさしていた。

ちょうどその時、読んでいて共感した本がある。 興味がある方は、一度読んでみていただきたい。

清水大吾『資本主義の中心で、資本主義を変える』(NewsPicksパブリッシング、2023年)

何かリラックスできる対象を探していたのだと思う。 京都の福寿園に立ち寄って、お土産を物色しているときに、そこで抹茶に出会うことになる。 2026年1月頃だったので、まだ抹茶をいただくことができていた。

私にとって、成長でもなんでもない一服が、なんなら、時代としては逆行しているのではないか?と思わせるものに、私はハマってしまったのである。 (結果、茶道を始めることになるのだが)

点てた抹茶の茶碗。テロップ「成長でもなんでもない、一服。」(後日、茶道の稽古で撮ったもの)

ずっと価値・価値・価値と仕事で言われて、価値を探していたのに、私が価値を感じたのは、誰にも価値について言われない時間を体験することだった。 それに一番価値を感じてしまったのである。

茶室の掛軸。テロップ「価値を、誰にも言われない時間。」(後日、茶道の稽古で撮ったもの)

ここで誤解のないように書いておくと、私は一服で儲けようと思ったわけではない。 茶道は、儲けるための道具ではない。 ただ、抹茶を売るビジネスは現に存在していて、市場も伸びている。 一服に惹かれた自分と、その市場に参入しようとする自分は、別のことをやっている。 私の中では、この2つは矛盾していない。

こうして私は、お茶事業の事業承継を本気で探し始めることになる。 (次回:売るものが、何もなかった)

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